みかみの国の王様

お前はお前。俺は俺。

腹を括ると楽しいことが始まってくる。

俺、少し前に国家試験受けただろ?

 

誰だって勉強するのは嫌なんだよ。

 

実際に俺はもはや国家試験取らなくても生きていけるし、わざわざそんな面倒なことする必要もないからね。

 

だから、勉強を始めるまでは面倒で面倒で仕方なかった。

 

机の上を掃除してみたり、本を注文してみたり。

 

 

100日前になってから一気に勉強を始めた。

 

もう「受けるんだ。」って決めて。

 

そしたら不思議なことに、勉強に受け入れてもらえた。

 

ちょっとした発見だってうれしいし、覚えられることだってありがたいし、今までなんの気なしに聞いていた音楽にさえ愛おしさを感じるようになった。

 

人間は適応性がある。

 

苦しい中にあってもちゃんと楽しいことを探せるし、楽しい中にいても苦しいことが必ずある。

 

 

俺は退院してから腹を括っている。

 

今度は仕事をがんばろうと。

 

自分がずっとやってきた化学しか俺には本当の武器がない。

 

だったら化学を使ってみんなに喜んでもらいたい。

 

化学を使って化学に食い込みたいって思うようになった。

 

初めてmolがわかった日。

 

初めて化合物の作り方を知った日。

 

有機化学というものを知った日。

 

いろいろなことを鮮明に覚えている。

 

 

今度はそれを心をこめて伝えたいと思っている。