みかみの国の王様

お前はお前。俺は俺。

発達障害が確定した日。

おそらく自分がADHDなのは知っている。

 

それで一番困ることは、予定が変わることだ。

 

初めに立てた予定が少しでも変わると、俺の頭の中がめちゃめちゃになって混乱してしまう。

 

これは周りの人に協力してもらって、なるべく変更しないようにしてもらっている。

 

それから、マルチタスクが苦手だ。

 

同時に3つ以上のことができない。

 

だから、何かを覚えておくということが苦手だ。

 

何かを覚えておこうとすると、いつもそのことを意識しておかないといけなくなる。

 

ゴミの日なんかを覚えるのが嫌いなのも、そこに結構な意識を向けないといけないからだ。

 

 

 

今日、久しぶりに発達障害であることを思い出すことになった事件が起きた。

 

それは銀行でだった。

 

銀行の住所変更をするために、名前と住所を書かないといけなかった。

 

俺はこれがすごく苦手なのだ。

 

何度も行く不動産屋さんは、そのことを知ってくれているから、俺にピッタリついて一緒に書いてくれる。

 

でも、今日は初めて行く銀行だった。

 

これに住所と名前を書いてください。

 

いつものようにさーっと書いて出したのだが、いっぱい間違いがあったのだ。

 

「お客さん、こことこことここを間違ってますよ。もう一回書いてもらえますか?」

 

「はーい。」

 

「お客さん、またここ間違ってます。もう一回書いてくださいね。」

 

「はい。」

 

「お客さん、今度はこっちを間違ってます。」

 

俺が書いた紙を破りながら、笑顔で新しい紙を出してくれる。

 

それでも、間違えてしまう。

 

5回目のやり直しの時に、俺はこう言った。

 

「すみません。発達障害なんで上手に字が書けないんです。」

 

「あっ、じゃあ、一番簡単な紙から順番に書きましょうね。」

 

何枚かある紙の中から、シンプルそうな紙をだしてくれた。

 

「あっ。」

 

それでも、間違ってしまった。

 

「あちらのブースに行って、座ってゆっくり書きましょうか?」

 

場所移動をさせてもらって、そこでまた一番簡単な紙を渡された。

 

「あっ。間違った。」

 

......書けない。

 

 

明らかに普通の人ができると思われることができない。

 

結構焦った。

 

年をとってから、書類に字が書けるのだろうか?

 

入国書類なんかは英語だからきっと書けるんだ。

 

難しいものだと頭が警戒して、きちんとできるようだ。

 

テストなんかも間違わず書けたのは、頭を使うものだからだ。

 

簡単と思ってやるものができないんだと思う。

 

 

今度から、名前とか住所とか書かないといけないときはテストだと思って書くことにしよう。

 

 

それにしても恐ろしい1日だった。