昨日から酒とは無関係となった俺だが、実は結構苦労している。
1500ml以上のビールを毎日飲み続けると10年から20年でアルコール依存症になるらしい。
もちろん俺は完全に当てはまる。
アルコール依存症レベル偏差値だと、国公立大学に入学できるくらいのレベルに達しているだろう。
もちろん、手が震えたりするような東大レベルのアル中患者ではない。
酒をやめるとまずは小離脱が来る。
今がそれだ。
朝は倦怠感で苦労した。
今日いっぱいは小離脱と戦ったら、明日からは大離脱が来るだろう。
この離脱が苦しいがために、再びアルコールに口をつける人も多いらしい。
だから、アルコール依存症が一生付き合っていく病と言われている理由の一つだ。
短期間の離脱で手が震える人が、アルコールを口にする瞬間に治ることを知ってるだろう。
離脱は飲めば治るのだ。
ただ、こういう一般のクソ理論は俺には完全に当てはまらない。
俺は俺の理屈ですべてのことを決めている。
俺は頭で理解して、心を強く律していく男なのだ。
仕事しながら受験勉強して大学合格ができたのも、塾に行ったことなかったのに開塾してわずか2年半で生徒を600人まで増やせたのも、学びエイドの動画をわずか1ヶ月で250コマ撮影できたのも、全部俺のルールが強力だからだ。
確かに離脱は結構面倒だが、俺の心はすでに酒と離れている。
俺のルールから、すでに飲酒は別世界に行っている。
さっき、やよい軒で水のおかわりを汲みに行ったとき、水のサーバーがビールサーバーに似ていたので、グラスを落としそうになった。
俺の握ってるコップには、もう一滴の酒も入れさえない。
もう俺は飲酒しない自分の未来を描き始めているのだ。
1ヶ月後に、再診察して経過を報告することになっている。
ここでいうセリフも、帰り道に食う飯ももう全部確定している。
俺はレールの分岐器を変えたので、俺の列車は違う方向へと進んでいくだろう。
これでよい。
俺はもう決めたのだから。