Amazonの創始者ジェフベゾスとおじいちゃんの話をご存じだろうか?
ジェフベゾスが10歳のとき、ジェフの大好きだったおじいちゃん、おばあちゃんとキャンプしていた時の話だ。
ジェフは計算して統計をとるのが大好きな子供だったようで、ガソリンの燃費を計算したり、ちょっとした統計をとっては、大人によく褒められていたらしい。
おじいちゃんは寡黙な人で、おばあちゃんはとても優しい人だったそうだ。
ある日、いつもタバコを吸っているおじいちゃんを見て、得意げに「おじいちゃん、今のタバコでもう寿命が9年縮んだね。」と言った。
「ジェフはやっぱり賢いなあ。」そんな言葉を期待していたジェフだが、その一言で空気が変わり、おばあちゃんが突然泣き出したらしい。
寡黙なおじいちゃんはしばらく何も言わなかったが、ジェフにこう告げた。
「いつかお前にもわかる日が来るだろう。賢いことよりも優しいことの方が難しいんだ。」
どうだろうか。
時間って不思議で、歳と共に価値観が変わってくる。
俺がこの仕事を始めたときに、
「ひとりでは絶対に幸せになれない。もし幸せになろうと思うのなら、他の人を幸せにしながら進んでいくことだ。」
という話を読んで、俺は実践していこうと決めた。
会社にいたときは募金なんかほとんどしなかったが、自営業になってからすぐに募金を始めた。
最初は借金しかなかったから、自分の未来を信じて借金しながら募金した。
そのうち海外ボランティアをするようになり、孤児院やスラム街に寄付をしにいくようになった。
海外の子供の里親にも何度かなったし、何人かの生徒には奨学金も出させてもらえた。
ただあの頃は、自分の生活と困っている人や頑張っている人がいることがそんなにつながっていなかった。
少しだけ離れた世界のように感じてたと思う。
だけど今はかなり違う。
今、俺がこうしている間も、大変な人がいたり頑張っている人がいることがわかる。
だから、昔は
「調子がいいぜ。イエーイ。」
という誰のことも考えていない無神経なブログばかりを書いていた。
みんなが自分のことを褒めてくれていると勘違いしていた。
そう、子供のときのジェフベゾスのように。
だけど、本当は世の中はもっともっと複雑で、その中に生きていたんだということが今ならわかる。
20年もやってこれて色々なことを知ることができたから。
苦しい人も調子がいい人も色々な人と一緒に地球の上に住んでいるを知っている。
どういう風に歳をとっていくのか?
せっかく勉強してきたから、その勉強を正しいことに使いたいと思う。
勉強は武器の一つだ。
悪いことにもいいことにも使えるだろうし、善悪の判断にも勉強が必要だ。
俺には、もうお金儲けしたいという情熱はほとんどない。
物欲そのものがそんなになくなってしまった。
それよりも、誰かに喜んで欲しいとか、人の役に立てたらと思う気持ちが強くなっている。
おそらくそれぞれの欲望に年齢ピークがあるのだろう。
人の役に立ちたいという欲望は年齢依存性が少なくて、自己顕示欲や物欲は年齢依存性が高いのだと思う。
俺は俺の道を進んでいきたいと思っている。