世の中の社長は数字を見て仕事していると思うが、俺は数字をみない。
具体的に言えば、お金の流れをみないことにしている。
実際に俺は会社の通帳を一つも持たされていないし、帳簿も見たことがない。
俺のほとんど知らないところで、経理の人と税理士さんがきっちりやってくれている。
そして、基本的には銀行振り込みでお願いしていて、なるべく俺のところにお金が通らないようにしている。
月謝袋の子も数人かいるのだが、袋のまま置く場所にすぐに置くことにしている。
とにかくお金に触らない。
どうしてか?
人間は誰だってお金が欲しい。
だから、自分に入ってくるお金を少しでも増やしたいという本能が働くはずなのだ。
それがあると、授業や俺が思う理想の塾に雑念が入ってしまう。
生徒がやめたいと言ってきたときに引き止めたくなったり、クラスの定員生徒数を増やしたくなってしまう。
そんなことをすると授業のクオリティが落ちてしまう。
俺はもう生きていけることは確定しているのだ。
あとは自分を貫くのみ。
俺がやってる今の教室はこれ以上生徒を増やさない。
年に1回だけチラシを入れる。
看板はつけない。
これでいい。
地元にあるソウルフード屋さんのように、そこにあるのが当たり前。
他所から転勤してきた人は知らないけど、ずっといる人なら俺らのことを知っている。
わざわざ宣伝しなくても、人が口コミできてくれる、そういう存在でありたいと思っている。
俺は金のためだけには働かない。
塾は俺の仕事であるが、俺の趣味であり、俺の生き様なのだ。
いつも俺が「がんばろう。」ってどっしり守っている俺のサンクチュアリなのだ。
これからも塾を続けていく。
今まで1度も値上げしたことない塾は、きっとこれからも値上げしないだろう。
料金を不誠実に書いて、あとからどんどん徴収していく塾などがあるが、俺は月謝以外のお金をもらわないことにしている。
もういっそのこと、月謝じゃなくて年謝で表示しようかとか思うくらいだ。
正しい塾でありたい。
それが長く続けていく秘訣の一つだと思う。