伝染病というものが世界に蔓延するなんて考えたことがなかった。
パンデミックは映画やゲームの中の話かと思っていた。
受験生だけでなく、就職期の人もまた起業した人、飲食業、旅行業の人たち、多くの人が大ダメージを受けてしまった。
この歳まで生きてきて、これほど大きい出来事を体験したことがない。
コロナのためにやむ得ず自習室を閉めたり、オンラインに変えたりを余儀なくされた。
それと並行して共通テストという、謎のニュースタイルのテストを受験させられた年でもある。
試験直前まで二転三転してもはや訳のわからない中でのテスト。
試行テストがあまりにもぶっ飛びすぎていたので、俺もどうしようかと思った。
一番かわいそうなのは、移行措置をやらずに受験した浪人生だとも思うが、とにかくトンデモナイ年だった。
だけど、受験生のみんな。
やることは同じだ。
「自分のベストを尽くして、神に合否を問う。」
ただこれだけ。
運ももちろんあるかと思うが、人間には運を左右させる力はない。
だから全力を見てもらうだけ。
神に。
それだけだ。
頑張った全国のみんなを応援したいが、申し訳ない。
俺は俺の生徒を応援している。
俺の生徒、頑張ってくれ。
神様。俺の運を俺の生徒に配って欲しい。
どうか、俺の生徒が、どうか合格しますように。