みかみの国の王様

お前はお前。俺は俺。

もう禁酒はしない。

本日、1月27日を持って俺は酒と決別した。

 

俺の辞書から「酒」という言葉を葬った。

 

タバコが俺に無関係であるように、酒も俺にとって無関係となる。

 

確かに今日から酒を飲まないが、禁酒しているという感じではない。

 

禁酒っていうのは、酒飲みが酒をやすむときにただ使う言葉で、そもそも酒を飲まない俺に禁酒という概念はない。

 

さて、報告しよう。

 

アル中病院で何が起きたのかについてだ。

 

 

 

コロナ対策により、完全に予約制だった。

 

行った時に患者は俺だけだった。

 

そもそも診察に最低3時間はかかると言われているのに、予約された時間は12時。

 

昼休みはないんかーい。である。

 

最初に「ウチはアルコール依存症専門です。」と言われた。

 

その後いろいろな紙を書いた後、「お話を伺います。」と言われ診察室に呼ばれた。

 

「私は医者ではありません。あなたのカルテを今から書くのでいろいろ教えてください。」と職員と思われる方に言われた。

 

答えたくないものは答えなくていいそうだが、答えたくなくなる質問があるという情報が得られた。

 

「酒を飲み始めたのは?」

 

「どのくらい飲んでいるか?」

 

ゆっくり詳しく、聞かれていく。

 

「学歴を教えてください。」

 

この辺から、酒と関係ない質問へと移っていった。

 

「学歴は関係ないのでは?」

 

「依存症は一生付き合っていくような病気だから、これまでの人生をできるだけ把握したいんです。」と言ってくる。

 

なにこれ?

 

俺の自慢の人生を語らせてくれるってこと?

 

俺が生まれて今日まで、俺の人生についてしっかり聞いてもらって俺は満足だった。

 

まあ、特に嬉しかった質問は「高校生のときに何位でしたか?」と、「どうして化学科に進学したんですか?」この2つだな。

 

俺の人生なのに、メモまでとって聞いてくれる。

 

その後、先生の診察だ。

 

「依存症は脳の病気だから、理解してください。」とメカニズムをざっと説明されて、治療法について言われた。

 

「以上のことから、飲酒欲求を下げる必要があります。他の欲求を高めることで相対的に飲酒欲求が下がる薬を処方するが第1案です。」

 

「第2案は、酒量を低減させる薬です。飲酒の2時間前に飲むと飲酒欲求が下がるので、酒量が減ります。あくまでも低減です。」

 

「3番目は入院患者に使う薬なので、外来の患者には出しません。」と前置きした後に、こう続いた。

 

「この薬を飲んだあと酒を飲んでしまうと激しい頭痛がします。入院していない人が激しい頭痛で救急車で運ばれたら洒落にならないでしょ?だから、入院患者にしか出しません。」

 

「ちなみに2種類あります。24時間効果が持続するものと、1週間効果が持続するものです。」

 

「以上です。案1にしますか案2にしますか?」

 

 

........

 

「先生、案3にしたいです。1週間のやつを僕に出してください。もう一生飲まないので、救急車には乗りません。」

 

「基本的には入院患者じゃないと....」

 

「大丈夫です。覚悟してきましたから。もう絶対に酒を飲まないので、これをください。この一番すごそうなやつを出してください。」

 

先生に熱弁して、そして手に入れた。

 

酒を飲んだ瞬間に地獄に落ちる薬を。

 

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ほーっほっほっほ。

 

軽いぜ。

 

 

今は緊箍児(きんこじ、頭の輪っか)をつけた孫悟空の気分。

 

飲んだら頭が割れる。

 

これほどわかりやすい薬はないぜ。

 

 

 

というわけで、水をとってこよう。