下層階級出身の俺は、今は自分のことを下層階級だとは思っていない。
というか、誰がみても下層階級には見えないだろう?
高貴高級階級にいるからなあ、今は。
俺の人生をグラフ化してみるとこんな感じになると思うのだ。
①の時期は仕方がない。
これは俺の選択肢じゃなくて親の選択肢の中で生きていたので。
②で企業に就職できたことで、人並みにかなり近づいたと思う。
ところが背水の陣を敷いた状態での勉強を余儀なくされたので、またしてもつらい人生になってしまった。
それが③だ。
もしも大学受験に失敗したら、会社の中で生きていくのも厳しくなる(残業なんかを断って受験勉強をしてしまったため)。
④ なんとか大学に合格できた段階で平均をやっと超えたと思った。
⑤ 大学院に進学したときに、これは勝ち組に入れたという気になった。
もう何があってもきっと食っていけるだろう。
自分のなかに揺るぎない自信が宿ったときだと思う。
24歳のときだった。
子供は23歳のときに生まれたから、俺の子供は俺がしてきた苦労をさせずにすんだ。
そして俺はせっかくプラスに転じてた人生を捨てて、もう一回起業という道を歩むことにした。
それが⑥である。
下手したら極貧生活になったかもしれなかったが、一瞬で復活した⑦。
あっという間に軌道に乗ったのと、みんなに助けてもらってばかりだから、独立してからほとんど大きな苦労をしていない。
スケールが小さいところから始めたので、スタート時の借金もそんなに多くなかった。
とにかく、大学院に入った⑤のところが、精神のターニングポイントだったと思う。
今でこそ大学院卒はたくさんいるかもしれないが、俺らの年代はそんなに多くなかった。
なんかあっても学歴が俺を助けてくれるはずだ。
これが精神的な武器になった。
今の俺にもちろん学歴は必要ない。
学歴よりももっともっとパワーの強い仲間とか知り合いという武器を手に入れたからだ。
もう必要ないので、ハノイ大学1日で中退で学歴逆ロンダリングしてる。
ここまで生きてくるとやはり人生はマラソンのような感じなのだということがわかる。
曲がり角があったり、坂があったり、コースを間違えそうになったり...
でも、一つ言えることは、俺は最後尾のあたりからスタートしたのだが、結構先頭集団にきたなということだ。
落ちていくより上がっていく方が精神衛生上いいに決まってる。
もう少し生きる予定だが、ここまでの人生はいい人生だったぜ。