俺は自分の母校を言うときは、名門山口県立下松工業高等学校ということにしている。
ほとんど男子校だったが、男子校ってこんなに楽しいんだなって思った。
本来なら、下駄箱開けたらラブレターが出てきたり、女の子と一緒に登下校したりしないといけなかったはずだったのだが、間違ってほとんど男子校に入ってしまった。
でも、俺はすごくよかったと思っている。
ところで、当時、俺らの高校は体育学校として恐れられており、体育に関する謎の思い出がいくつもある。
まず、体育の開始時の2000メートル走だ。
授業開始時に、先生が「今日は何分以内だ。」とか言うのだが、その目標タイムを切れなかったら、もう一本になる。
毎回2割くらいの生徒がタイム以内にゴールできず、もう一本になっていた。
その時もまた目標タイムがあるのだが、ま、当然ながら1回目に切れなかったやつが2回目に切れるはずがないのだ。
水泳もすごかった。
一列に並ばされ、先生の笛で全員が飛び込んで25メートル泳ぐ。
ただし潜水で。
一人でもできなかったら、またやり直しになる。
でも、第6コースだけは女子なので、女子が潜水で25メートル泳げるわけがない。
何本もやってるうちに、25メートル潜れたやつらまで潜れなくなってくる。
俺は毎回25メートル潜っているのだが、目を開けてると5メートルくらいでギブして上がるやつが見えるので、悲しい気持ちになったものだ。
無駄な25メートルを泳がないといけなくなるからだ。
かと言って、ズルする度胸もない。
ズルなんかすると、先生の鉄拳パンチが飛んでくる。
ただの潜水を繰り返すという謎の授業さえ2000メートル走った後だ。
運動部に入ってないやつは、吐いたりすることも多かったが、吐いたらまた先生にやられてしまうので、めちゃくちゃだった。
マラソン大会の練習などは毎回7キロ走らされていたので、もはや体育がマラソン大会なのではないかと思ったくらいだった。
もちろんだらだら走ってると、先生に飛び蹴りされるのでみんな必死だった。
高校3年生のスポーツテストの1500m走が、クラスの半分以上4分台だったのには笑ってしまった。
知らない間に鍛えられまくってたってわけだ。
会社に入って消防学校に合宿訓練で行ったのだが、俺らの高校出身にとってはいつもの体育みたいな感じだったので、別に驚かなかった。
書いてるうちにめちゃめちゃだったんだなと改めて思う。
先生はきっと楽しかっただろうな。
若いうちは一生懸命にやることに体が順応できる。
頑張れる時に頑張るっていうのはいい思い出になる。
というわけで、受験生も勉強がんばろうぜ。
終わり。