小学校1年生の時の班の決め方がすごく不思議だったのを覚えている。
今だったら、苦情が出るに違いない。
大体7人手をあげるまで、先生は別の話をしながら待っていた。
俺には関係ない。
どうせ俺は1番最初に手をあげるんで。
全員の班長が手をあげたら、他の生徒を男女に分けて壁側に立たせた。
班長はジャンケンをして、勝ったもん順に男子は女子を女子は男子をとっていく。
全員が選んだら、今度は逆の順番で男子は男子、女子は女子と選んでいく。
最後まで残る子はいつも同じで、余り物を選ぶような感じになってしまう。
俺の目線で考えて欲しい。
「班長になりたい人ー?」
もちろん、俺だろう。
すぐに手をあげる。
他の班長も決まったら、みんなでジャンケンだ。
ジャンケン、ぽんっ。
やった。
勝ったぜ、一番最初に選べる。
そして、左右に分かれた女子を見る。
班長以外の女子はみんないる。
選び放題だ。
だけど、どう考えても
どう考えても....
好きな子を選ぶに決まっている。
そして、全員が選びおわったら、次は男子だ。
俺は、さっき一番最初に女子を選んだから、今度は一番最後に男子を選ばないといけない。
だけど、すでに6人の男子が選ばれたあとなので、いい子はあまり残っていない。
それでもその中から一番いい子を選ぶ。
次は女子。
今いる女子の中で一番いい子を選ぶ。
3巡目に残るメンバーも大体同じなのだが、3巡目になると相性や好みが違うので、選び方に趣味が出てくる。
小学1年生のことだ。
みんなが好きな子は全員同じで、2番目に好きな子も全員同じ。
だから、この班決めはただの人気投票だったと思うのだ。
そして、最初に異性を選ぶというルールだったから、最初に指名するときはなんだか告白するような感じだった。
あれはどういう理由で、あのような班決めをさせていたのだろう。
人気のある子はいいが、人気のない子は毎回嫌だったのではないだろうか。
俺は常に班長だったので、選ぶ側だったから選ばれる側の気持ちになったことはなかった。
でも、選ばれる方も、この人に選ばれたいっていうのがあったんじゃないだろうか。
ねるとん紅鯨団の女子のように....
高校や中学生の時、そして小学生の時を思い出すと、やはりモテる子はモテていたような気がする。
俺が今の頭のままで子供に戻ったら、色々な側面からもっと異性を見ることができたと思うが、あの頃はみんなの判断基準が結構似かよってたような気がする。
頭がいいとか、運動ができるとか、そういうのがものすごくプラスに働いて、優しさだとか性格のかわいらしさだとかそういうのを見落としがちだった。
同窓会なんかをやると、あんなに目立ってた子が普通っぽくなって....
みたいなことがちょくちょくある。
ま、そういう俺も、中学のときは勉強ができなかったから、まさか俺が塾なんかやってるとことを知るとみんながびっくりするよね。
でも、俺は実は高校卒業してからものすごくめちゃめちゃ勉強したから、なるべくしてなってるんだぜ、塾の先生に。
俺はこの地元で塾を始めて、もうすぐ20年になる。
卒塾生も毎年増えていくから、勉強してなかったときの俺より、今の俺を知るみんながどんどん増えていくだろう。
うん。
なかなかよい傾向である。