オレは研究員を16年間やっていたので、ある程度は実験の型ができていると思う。
例えば、滴定という基本操作がある。
こういうのだ。
日本分析専門学校というところの写真を勝手にパクってきたのだが、これはいい学校だ。
型ができている。
同じ学校の他の写真だ。
滴定の種類は違うが、うますぎるとしか言えない(俺の滴定操作はさらに美しいが)。
強いて言うなら、手前の醤油が謎だ。
多分醤油中の塩化物イオンをモール法で滴定してるんだと思うが。
俺は16年間ずっと研究所に所属してきた。
そうすると毎年、新入社員が入ってくるのだが、型が全然できていないやつがどんどん入ってくる。
学校で何をやってたんだろう。
このお姉さんたちが左手に持っているガラス器具はビュレットといい、これを片手で扱えない人が多い。
どうして片手で扱えないか?
先生が片手で扱えないから。
両手を使っても測れるのだが、効率が全然違う。
そういうことをわからない先生が教えると、どうしても片手の滴定ができなくなる。
俺が先生なら、絶対に片手でやれと言うね。
あなたの大学のパンフレットや高校のパンフレットを見て欲しい。
化学科であると、この滴定の写真が載ってるところがたくさんある。
一番いけない型は、顔の位置が低い場合だ。
上の写真と下の写真を見比べて欲しい。
下の写真はほとんど直立していて、顔の位置が高いのがわかるだろうか?
上の写真は少し下がっているように見えるが、あれならオッケーだ。
顔をビーカーの縁くらいまで下げて実験しているやつがいるが、こういうのが全然ダメだ。
どうしてか?
実験で一番大事なことは、安全に実験することなのである。
顔が低いと、混ぜている時に飛び散った実験液が顔に付着する場合がある。
どこかの高校のパンフレットから持ってきた写真なので加工しまくったが、こういうのを載せてるとプロから見ると不安で仕方がない。
滴定の原理だけ説明して、下手くそな先生が見本を見せて「はい、やって。」になっていると思う。
さて話を戻してみたい。
昨日、個別指導塾ライジングの家村先生の書き込みを見て、ハッと思ったことがある。
「誰が言ったか知りませんが、きっと誰かが言ってるはず。
まあ、俺は混合物である一種類の食材を用いてミニマム料理法しかやらないので、料理道を極める予定はないのだが、同じようにきっと色々なものにも型が存在するはずなのだ。
受験勉強で言えば一番大事なことは「覚えること。」つまり、覚えることの戦いであると俺は思っている。