みかみの国の王様

お前はお前。俺は俺。

俺にとって理想的な地図。

いろいろ考えて最近、俺は自分の人生の地図を書き換えた。

 

人生の地図である。

 

 

俺は昔、すごく貧乏な家で育ったので、普通になることが俺の理想だった。

 

子供の頃の地図のゴールは、普通の生活だった。

 

 

ところが会社に入ってから大学院卒の人の中に囲まれたとき、俺の地図は小さいことがよくわかった。

 

そもそも自分の地図が小さいのだという発想さえ、それまでに持っていなかった。

 

俺は初めて地図を書き換える作業を行った。

 

普通を目指すというしょぼい地図から、普通からスタートするというみんなが持つような地図である。

 

そして、俺は初めて自分の道を歩むようになった。

 

 

その後、会社をやめた時に、地図のフォーマットを変えた。

 

会社という枠の中で、既製の用紙に地図を書いていたからだ。

 

会社を辞めて、ルールがなくなったので、俺は紙そのものを変えないといけなかった。

 

会社製の地図用紙には、新しい俺の地図は書けなかったのである。

 

その時の俺の地図は、大冒険の地図だ。

 

人生のピークの地図かもしれない。

 

誰かと競争しながら、宝を探すトレジャーハントの地図である。

 

 

そして最近、俺は地図を書き換えた。

 

金銀や宝石は確かに分かりやすいのだが、俺にはそういうものはあまり必要なかったのだ。

 

確かにある程度の金銀宝石は手に入ったのだが、俺はそれが本当に欲しいものかを問うようになったのである。

 

 

あなたにとっていいものは、俺にとってもいいものだろうか?

 

みんなにとっての宝は俺にとっても宝なのか?

 

 

俺は金や銀、宝石よりも、海岸にうち上げられた貝殻だったり、透明なガラス片の方が好きであることに気づいたのだ。

 

みんなにはきっとわからないが、俺はもう完全に生き方を変えている。

 

死ぬときのことを想像して生きている。

 

誰の評価も必要ない。

 

必要なのは自分の自己評価だけ。

 

だから、自分が進みたいと思う方向に進むことが正しいことなのだ。

 

 

俺は、誰からも評価される必要のない俺の地図のゴール地点に向かって進み始めた。