俺は昔から大家族に憧れていた。
いっぱい子供を作って、ワイワイガヤガヤの中で生活することに憧れていた。
「人生は子供たちだったなあ。」
って言いながら死ぬような人生を送りたいと思っていた。
昔から小さい子に囲まれて過ごしてきたので、自分の子供好きはよくわかっていた。
もしも、子供をたくさん作ってしまうと、全く仕事ができなくなってしまうと思い、子供は1人にすることにした。
そして今、塾の先生をしている。
子供がいっぱいいて、本当に幸せな毎日を送っている。
全員が俺に懐いているわけではない。
俺以外の先生の方が合う子もいっぱいいるのだが、それで全然いい。
みんな違っていいし、みんな自分が主人公でいいと思う。
ある高校生は、ここ最近で急に相談をしてくるようになった。
なぜかわからないのだが、急に色々なことを教えてくれる、聞いてくる。
今までそこまでの接点があったわけではないと思うのだが、何があったのだろう。
俺がいつもちょっかいかけている高校生がいるのだが、あまりかまってくれない。
何か用事がある時にしか相手にしてくれない。
俺のことを嫌がってるわけでもなさそうなのに、なぜだろう?
ある高校生は、中学生のときにたくさん怒ったにも関わらず、今だにいつも俺と親しくしてくれる。
最近はあまり会えなくなったのだが、会うといつも笑顔で話しかけてくれる。
どうしてそんなに嬉しそうな顔でいつも話してくれるんだろう?
ある中学生は、とても賢いのだがまだそれほど点に結びついていない。
大きな潜在力が眠っているので、どうにかして伸ばしたいと思っている。
もっと自分に自信を持ってガツガツきてくれたら、もっと伸びるんだけどなあ。
色々な子供がいて、みんなが自分のモノサシで頑張っている。
性格のものすごく優しい子。
芯がとても強い子。
大事に大事に育てられてるんだろう感のすごい子。
頭がキレッキレッの子。
記憶力のいい子。
大雑把な子、寡黙な子、何を話しても喜んでくれる子、すごく質問してくる子、ハキハキしている子、シャイな子、いつも突っ込まれてしまう子、やや慇懃な感じの子、みんなからいつも好かれている子、アイドルが好きな子、運動がめっちゃできる子、お母さんといつも仲のいい子.....
みんな全員どこも同じところがない。
だけどどの子も、多くの人から愛されて、みんなが自分の幸せを見つけられたらいいと思う。
勉強を教える仕事をやっているが、子供たちの幸せを願いながら仕事をしている。
俺が自分の仕事に誇りを持っていることの一つは、こういうことなんだと思っている。