ロールプレイングゲームが始まるように、最初はみんな装備ゼロでスタートする。
ゲットしたアイテムによって、進むべき方向や進む速度などが変わってくる。
俺がスタートした時は、最初ゆっくりだったと思う。
親が貧乏だったからだ。
何度か転機を経て、今日に至る。
いいアイテムをゲットした時だ。
まず最初の転機は高校だ。
俺は名門山口県立下松工業高等学校に入学して本当によかったと思っている。
当時、俺の学校は、体育学校軍隊学校と恐れられ、ひたすら体育の辛い高校として有名だった。
俺も入学時にはビビって入ったのだが、ここで俺は自信をつけることができた。
自分って勉強ができるのかもしれないという自信をもらったことだ。
会社に入ってから、落ちこぼれてしまっていたが、高校時代に手に入れた自信を使い、大学受験に挑んだ。
大学受験は本当に苦しかった。
これほど苦しいものが、この世の中に存在することが許されるのかとさえ思った。
刑務所に入る方がマシだなとか、明日死んでるかも知れない。とかマジで思いながら生きていた。
そして俺はものすごいものを手に入れた。
さらなる自信、考えること、学歴......
今の俺の多くは苦しすぎる受験勉強から手に入れたものからできていると言っても過言ではないだろう。
そして俺は独立し、度胸を手に入れた。
塾を広げてゆく中で仲間を手に入れた。
その間に酒を飲むことを覚え、旅をすることを覚えた。
ハノイ大学に入学できたことも、本を出せたことも、学びエイドでやってることも、全部、今まで手に入れたもののおかげだ。
自分のカードが増えていったおかげで、さらなるカードを手に入れることができる。
今、受験生たちは頑張っている。
パッと見た目は普通に勉強しているだけだが、きっと夜は泣いているだろう。
きっと怖すぎて爆発しそうになっているだろう。
だから俺は優しく励ましたり、ケチつけたりしながら、受験の先輩としてみんなに俺なりのアドバイスを送っている。
センター試験まであと11日だ。
俺が手に入れたものの多くは受験から学んだ。
だから、俺は受験を通じて多くのものを若いみんなに伝えていきたい。
俺は自分の仕事に誇りを持っている。
医者が相手でも、弁護士が相手でも、総理大臣でも、ダライ・ラマだろうと俺は胸をはって塾の先生をやっていることを誇れる。
センター試験まであと少しだ。
余裕なんかなくていいから、レッドゾーン限界の死のキワキワまで頑張って欲しいと思う。
俺の生徒で、受験生ではないのだが、世界で頑張っている娘が二人ほどいる。
二人のこともいつも頭から離れない。
俺の子達、みんながんばれ!