みかみの国の王様

お前はお前。俺は俺。

おしゃれ。

俺はおしゃれだと自分で思っている。

 

誰からも認められないが俺はおしゃれだ。

 

俺が毎日同じ服を着ているのも、クロックスばっかり履いているのもおしゃれだからだ。

 

俺がBMWのオープンカーに乗らなくなって、100円玉で買った原付ばっかり乗るのもおしゃれだから。

 

靴下も全部全く同じ赤い靴下にしている。

 

そうするとどれとどれを組み合わせても構わない。

 

 

昔のように全て数万円の服や靴の組み合わせでもいいかもしれないが、俺は結局、今に行き着いた。

 

ヴィトンの靴も鞄も弟にくれてやった。

 

俺は俺スタイルで俺がブランドだからこれでいい。

 

こんなに俺はおしゃれなのに、誰も俺の真似をするやつがいないのは、俺が世間のおしゃれとズレているからなんだろうと思う。

 

それでいい。

 

俺は誰かにおしゃれを決めてもらう必要がないからだ。

 

 

あったかくなったら、またタイのチェンライに服を買いに行こう。

 

たかだか3000円の服を買うために、俺は飛行機を乗り換えて毎年、タイの最北の地チェンライまで足を運んでいる。

 

地球上でそこにしか売っていない服を買い求めに行っている。

 

値段なんか重要じゃないのだ。

 

これは俺の美学なのだ。

 

 

俺の服がどこに売っているか知っている日本人はほとんどいない。

 

それでいいじゃん。

 

 

俺は俺。

 

誰からも計ってもらう必要がない。

 

 

これからもおしゃれに生きていきたい。