夢を見た。
動画講座をどんどん勧めていくという塾に転職していた(チェーン展開している塾だった)。
塾長(俺より若いやつ)と一緒に親御さんたちとの面談をするのだが、パンフレットにいきなり「医学部なら1500万円」と書いてあった。
気の弱い男の子の受験生に、動画をどんどん勧めていくという恐ろしい面談で、お父さんが「子供がこんなに嫌がっているけど、どうやって見せたらいいでしょう?」と聞いてくる。
俺にも、営業かけろと隣の塾長が催促してくる。
お父さんのメモには「子供をなだめながら一緒に10時間視聴」とか書いてある。
はー。
きつかったわ。
恐ろしい夢だった。
俺らは営業活動はしない。
教材費とかコピー代とか施設費とか補習代とかももらわない。
そういうのじゃなくていい。
地元でみなさんにかわいがっていただきながら、今日までやってこれた。
中学生のクラスは教室を開いて5年間、ただ一人もやめていない。
ちゃんと真面目に、一生懸命にやって喜んでもらう。
ただそれだけ。
ズルしたり、雑にやったら必ず誰かに分かることだ。
だから、ちゃんと愚直に明るくやってればいいって思う。
塾は地域に密着して、地域の中で共存していく。
目先のことや自分のことだけ考えたらうまくいかない。
俺らは子供達の成績を上げるというすごい仕事をしている。
だからそれを誇りに思っている。
勉強のできる親御さんなら、子供さんの勉強を見れるかもしれない。
でも、俺らはプロだからちょっと違う。
今日のコンディションはどうなのか?
何がどう苦手なのか?
どんな声をかけたらいいのか?
どう解けば次に繋げやすいか?
そういうことをたくさんの経験とともに瞬時に判断しながら授業している。
子供はロボットではない。
うまく説明すればそれでいいというものではないと思っている。
「こういう生徒はこうなのだ。」巷ではうんちくに溢れているが、一人一人がみんな違うと思っている。
ちゃんと心を痛めないように、ちゃんと子供の自己重要感が育まれるように、ちゃんと明日につながるように..
俺が中学生の時に習った仕事の定義がある。
「社会に貢献して、対価を得ること。」
殺し屋とかは社会に貢献していないから仕事ではないと教わった。
だから、薄っぺらい仕事は絶対にしない。
得が自分のところだけにくる仕事もしない。
自分がたちができるベストを尽くして、あとは評価してもらうだけだ。
それが俺の塾なのだ。