歯を抜いたが、いいことしかなかった。
歯を抜いてくれた先生は、塾生のお父さんだった。
その日、たまたま歯学部の学生が研修で来ていたのだが、俺についてくれた学生は、俺の本で勉強してたらしく「化学だけは良かったです。おかげで歯学部に入れました。」と言ってくれた。
帰りに皮膚科の先生とすれ違ったのだが、「せんせー。」と声をかけられた。
見ると卒塾生だった。
もうお医者さんになったんだね。
地元でこの仕事をしていると知り合いがたくさん増えてくる。
ありがたいことだ。
卒塾生の親御さんが知り合いをご紹介くださって、またその知り合いが、みたいな感じで15年間やってこれた。
塾は勉強を教えるのが仕事だと思うが、結局人対ひとだと思うのだ。
人工知能はどんどん発達していくだろう。
でも多くのことは、理屈でなく感情で成り立っていると思うのだ。
俺の周りには嫌いなヤツはいない。
好きなヤツとだけ生きている。
だから、俺から勝手に好きですオーラが360度に撒き散らされているはずだ。
実力が足りなかったり、授業が下手だったり、うまくいかない時もあるかもしれないが、一生懸命に相手のことを思う姿勢はきっと伝わると思うのだ。
これからも頑張っていきたい。